このたびは、郷土ゆかりの個性派画家5人をとりあげます。いずれも姫路またはその近郊に生まれ、“独り我が道を行く”生涯を送った画家たち。多種類の職業に就きながら創作に励み、モノタイプというユニークな版画を創造した中村忠二。心の故郷を求め、ほのぼのとした農村風景を詩情豊かに描き続けた森崎伯霊。神戸市職員で画家でもあり、独特の深みのある木版世界で「摺りの名人」と言われた上野長雄。漫画家、デザイナーでもあり、70歳代での滞米生活で自身を見い出した菅創吉。少年絵師から出発し、子どものような純真な気持ちで生涯自己流を貫き通した丸投三代吉。彼らに共通するところは、ほとんど独学に近いかたちで芸術の世界に入り、名誉、名声には無頓着であり、常にオリジナリティにこだわって、創作一筋の道を歩みました。本展は、これら5人の代表的な作品やスケッチブック、雑誌などの関連資料など約70点を展示し、画家たちの人間像を浮き彫りにしたいと考えます。