伝統的な日本画の世界に現代の表現の地平を切り拓くべく、グループ「META」は、98年に結成されました。「META」とは、「無秩序の、世代を超えた、独自の、変容する」という意味を示しています。年齢の離れた作家たちが世代を超え同じ志のもとに集まり、2002年まで毎年、日本橋丸善ギャラリーで展覧会を重ねてきました。和紙や絵絹に墨や岩絵具を膠で定着させながら制作する「日本画」の伝統技法に足場を置きながら、その素材、様式、題材を問い直し、現代絵画としての日本画の実験というべき試みがなされてきました。古い素材を手に、現代に生き、現代の表現を模索する。その表現には、抽象的な新しさとどこかなつかしい感覚が共存しています。また、大きな作品は、視覚を超えて包み込まれるような感覚を呼び起こします。本展では、県民ホールギャラリーの全展示室を使い、20歳代から50歳代の作家の平面の大作を中心に展示します。伝統を有する日本画の21世紀絵画としての可能性を切り拓いてゆく展覧会となります。