瀬戸のこま犬は人々が願いをこめて神社に奉納したもので、瀬戸・美濃地域に独特の風習です。奉納先には白山神社や秋葉神社の系列が多く、山岳信仰との関係が指摘されています。こま犬の制作は鎌倉時代に始まりました。江戸時代には最も盛んになり、山犬、猿、狐、猫などの動物に似たもの、人の表情に近いものなど変化に富んだ個性的な表現が多くみられます。愛知県陶磁資料館では、著名な本多コレクションを中心に室町時代から江戸時代までの約200体の瀬戸こま犬を所蔵しています。本展では、親しみやすいユニークなコレクションとして知られる同館所蔵の瀬戸こま犬約40点を展示し、凛々しくもユーモラスな魅力を紹介します。