「聖帯伝説」の美術都市プラート ルネサンスからバロックまで
…昇天する聖母は身に着けていた帯を使徒トマスに与えた…
…聖母の帯はプラートの町に今も伝わる…
フィレンツェ北西15キロほどに位置するプラート。「聖母の帯」の伝説を中心にして14世紀から数多くの名作がこの町の教会や政庁のために制作されました。大都市フィレンツェにつねに脅かされたプラートにとって、マリア信仰と美術は愛郷心をよびおこし人々の心をひとつに束ねる、町の重要なシンボルでした。この展覧会では、プラート市が所有するルネサンスからバロックまでの貴重な美術品約60点をご紹介し、美術を通じてひとつの都市の歴史をひもときます。
画僧フィリッポ・リッピ-ボッティチェリに影響を与えた画家-は、プラートで恋をし、プラートに名作を残した
前期ルネサンスを代表する重要なフィレンツェ画家フィリッポ・リッピ(1406年頃から1469)。その優美で洗練された絵画は若いボッティチェッリに大きな影響をあたえました。プラートでリッピは大聖堂の壁画を含む数々の重要な仕事を行っています。日本ではほとんど見ることのできない貴重なリッピの板絵が本展では2点出品されます。
リッピはまた、プラートの尼僧ルクレツィアと恋におち、駆け落ちしたことでもよく知られています。二人の間に生まれた息子フィリッピーノもまた、よく知られているルネサンス画家です。