2005年1月、片岡球子は満100歳を迎えました。この機会に、院展出品作を中心に片岡球子の画業をあらためてたどることで、日本画の世界にとどまらず広く現代の絵画に大きな問いかけを放ちつづけるこの画家の仕事の真価を探ろうと考え、本格的な回顧展を企画いたしました。
今回の回顧展では、片岡球子のおよそ80年間にわたる大きな仕事のなかでも中核をなす院展の出品作にいちばん強い光を当てて、エネルギーに満ちた足取りをたどります。画家の〈ライフワーク〉となっている「面構(つらがまえ)」のシリーズを中心に、初期作品、桜島や浅間山といった火山シリーズから「富士山」のシリーズ、裸婦の「ポーズ」のシリーズなど約80点の作品と多くのスケッチにも眼を振り向けて、片岡芸術の全貌を解き明かしていきたいと考えております。