分館為三郎記念館では、「喜々想描-花・風景 木村光宏日本画展」と題して、美しい花や風景を描いた木村光宏の新作作品を昭和初期の数寄屋建築に展示いたします。木村の記念館全館を使用した展示は今回で2回目。前回は「墨游~木村光宏墨と戯る(2022年)と題した墨画展で、抽象的な表現にこだわった墨画作品を展示しました。このような墨画の表現はその後の木村の作品にも影響を与えているように感じます。
今回は抽象から再び具象に戻ります。美術館に展示している日展出品作のような大きな作品ではありませんが、爲三郎記念館という数寄屋建築に合わせた少し小さめの花や風景の作品が並びます。サイズは小さくとも内に込められた木村の思いは同じです。美しいと思う風景を心のままに描き出した作品は“いつか見た風景”として心をとらえます。また木村によって描き出された花や日本の美しい風景が、数寄屋建築の意匠や庭園と響きあい、観るものの心を癒します。
古川美術館・分館爲三郎記念館両館を通して、常に自身の新しい表現を模索し続ける木村光宏の魅力をご堪能下さい。