芸術は、目に見えない大きな力を内に秘めて、人の心や生活を豊かなものにしてくれます。その中で、私たちと同じ時代に生きる美術家たちが、社会が抱える問題や日常の様々な出来事に対する思いをもとに創造する現代のアートは、長い年月をかけ、ジャンルや地域を超えて受け継がれてきた芸術の力を、より強く示すものだといえます。
本展では、小松美羽をはじめとして、今、日本のアートの世界で活躍する3名の作品を紹介します。小松美羽(1984- )は、日本古来の信仰や、自然に宿るさまざまなものの存在とエネルギーを創作の出発点に、神獣や神話などをモチーフにした、人の心や魂を癒す力を秘めた作品を国内外で発表してきました。石黒昭(1974- )は、地質学をもとにしたコンセプトによる抽象絵画を制作しています。たかくらかずき(1987- )は、多様なデジタルメディアを駆使した作品を発表してきました。
新しい芸術の姿でもあるこれらの作品は、私たちに、心の豊かさや、今を生きるための勇気をもたらしてくれるでしょう。