タイトル等
EXHIBITION
安野 慎司 展
会場
Oギャラリーeyes
会期
2024-02-19~2024-02-24
開催時間
11:00~19:00
Saturday 17:00
概要
「フィジカル・ペインティング」
アナログメディアのことを「フィジカル」と言う。紙の本やフィルム、レコード、カセットテープなどフィジカル(実体)をもったメディア(媒体)のことである。デジタルが主流の現代だが、再び注目を浴びている。
一方、視覚芸術である絵画もまた絵の具など物理的な素材を用いて制作されるフィジカルメディアである。近年では、タブレット端末やVR(仮想現実)なども用いられているが、物質性と身体性の混合が絵画の特徴だろう。
だが、現代絵画ではコンセプト(思考)やデータの描画、変換が中心となってはいないか。鑑賞者が絵画に見るのはデジタル由来のイメージであり、そこに描き手の身体が不在であることも多い。
安野慎司の絵画は、フィジカルに特徴がある。安野は、これまで油彩による具象的な人物や風景から抽象画、雑誌や新聞記事を切り貼りしたコラージュ、水彩ドローイングまでさまざまな絵画を制作してきた。荒々しいストロークや躍動的な色彩が迸る画面は、鑑賞者を圧倒するような絵画的衝動がある。
安野の絵画の魅力はどこにあるのだろうか。その一つは、2023年の個展コメントにある「筆を動かし目の前に現れる形や色とそれらに対する反射的な感覚判断のみに集中する」という描画姿勢だろう。フリー・ジャズの即興演奏で用いられるインタープレイ(相互作用)にも通じるイメージやテクスチャーの生成に応答していく即興性の美学である。
かつて安野は展覧会場で、自身が所有するレコードプレーヤーを持ち込み、昭和歌謡からジャズ、クラシックまでさまざまなジャンルのレコードをかけ、会期中には展示替えを行い、構成を変えていったという。レコードの溝には音が刻まれているが、安野の絵画は絵の具と身体との瞬発的な応答と痕跡が記録(record)された絵画なのだ。
だが、安野の筆致の激しさが「熱さ」に還元されるわけではない。筆者には、熱さと反対の静けさも同時に感じるからだ。つまり、安野の絵画には画面の物質性と知覚に矛盾がある。その矛盾は、身体的な絵画行為でしか発生し得ない偶然性や揺らぎを含んだ重層的な世界だ。安野の絵画に刻まれた複雑な絵の厚みをいま身体で体感してほしい。
平田剛志(美術批評)
会場住所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4-10-18 石之ビル3F
交通案内
地下鉄 御堂筋線 / 京阪本線
「淀屋橋駅」下車 北改札口1出口、徒歩10分

JR 東西線
「北新地駅」下車 東改札口11-43出口、 徒歩8分
ホームページ
http://www2.osk.3web.ne.jp/~oeyes/
大阪府大阪市北区西天満4-10-18 石之ビル3F
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