瀬戸内海は、「我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地」として1934年に日本初の国立公園のひとつとして指定され、2024年3月16日に指定から90周年の節目を迎えます。本州、四国および九州により囲まれた日本最大の内海である瀬戸内海には、700を超える大小さまざまな島々が点在しており、この多島美からなる風景や、そこから生まれた豊かな資源は、美術に限らず、私たちの暮らしにも大きな影響を与えてきました。本展では、その歴史を語る絵画作品をはじめ、身近な民藝や建築の仕事についても紹介します。時代や分野を越えてつながる瀬戸内海の魅力について、ひとりひとりが「わたしのうみ」として思い見る機会となれば幸いです。また、多角的な理解を深めるために、資料や研究調査成果を共有しながら、県の歴史文化博物館および総合科学博物館においても同時期に瀬戸内海に関する展示を開催いたします。