「版画」とは、「版」に絵具やインクなどを付け、紙や布などに転写した絵画です。
「版」の形式は凸版、凹版、平版、孔版の主に4つに分けられます。そして「版」の材料として使われるのが、木材、金属、石、布などで、木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなどと呼ばれています。銅版画には版上にインクをのせる溝、くぼみを作るために、専用の道具で引っかいたり削ったりした直刻法、酸で腐食させる腐食法があるように、各版画技法のバリエーションは多く、さらにそれらを混合し制作されることもあります。
本展では、第二次大戦後国際的に評価を得て活躍した棟方志功、斎藤清の木版画をはじめ、銅版画の技法である力ラー・メゾチントを開拓した浜口陽三、ナガセプリントという新しいプリント技術を考案した永瀬義郎など14人の画家たちの、工夫を凝らした版画技法による、個性的でバラエティーに富む表現を紹介します。