当館では、開館した1998年に特別展「秋野不矩展」と並んで「上村松篁展」を開催し、大変好評を得ました。今回はそれ以来の開催となる上村松篁の展覧会です。
秋野不矩とともに創造美術(現 創画会)の創立会員として歩んだ上村松篁は、創造美術結成の折に美術記者として井上靖が関わった縁で、井上が「サンデー毎日」に連載する歴史小説『額田女王』の挿画制作を引き受けました。本展はその貴重な原画に加え、連載後に記念刊行された画集『額田女王』の各章を飾る彩色された8点の扉絵原画のほか、本画作品も加えて構成いたします。
また、秋野不矩の絵本原画『いっすんぼうし』もあわせて展示いたします。
気品ある画面から醸し出される上村松篁の雅な万葉の世界や、秋野不矩が描き出す親しみの感じられる昔話の情景ををお楽しみください。