2023年は板画家・棟方志功(1903~1975)の生誕120年にあたります。この節目の年に、当館では親交を結んでいた會津八一(1881~1956)と棟方の強烈な個性が響き合う2人展を開催いたします。
會津は棟方と初めて出会った時に「敏感で、熱烈で、自信に強い。この人柄を見てから、私は彼の作品を改めて見直した」といい、棟方の情熱的な人柄と作品が放つ迫力とが一致していることを認めたうえで、才能あふれる芸術家として棟方を賞賛しました。
昭和20(1945)年の東京空襲で會津と棟方は被災し、會津は新潟県北蒲原郡中条町(現・胎内市)、棟方は富山県西砺波郡福光町(現・南砺市)へそれぞれ疎開しますが、この間も互いに書簡をやり取りし、交流を深めました。
展覧会では、知性溢れる會津と感性豊かな棟方の強烈な個性が共鳴した書と板画の合作による双幅をはじめ、棟方作品では會津との交わりが最も濃密だった富山・福光時代(昭和20年~26年頃)の板画、倭画、書を、會津作品では富山県福光や新潟県内の棟方ゆかりの地に残した墨蹟を中心に展示。新潟、富山に極めて大きな足跡を残した両巨匠の名品を一堂に紹介いたします。