当館では、湘南を拠点として活躍する彫刻家・岡田健太郎の個展「岡田健太郎展 重なる景体」を開催いたします。
1977年に岡山県に生まれた岡田は、79年に横浜市・本牧へ移り住みます。2002年、武蔵野美術大学彫刻学科を卒業。近年は第17回KAJIMA彫刻コンクール、第28回UBEビエンナーレに入賞し、いま注目される彫刻家のひとりです。
大学卒業後、岡田は御影石を使用し、棺をモチーフとする作品を制作していました。その後、より柔軟な素材を探すなかで、金属製の棒をペレット状に切断し、それらを五角形に溶接する方法を見出しました。有機的なかたちをした作品は、なだらかな輪郭線をもち、サイズの異なる複数のオブジェが重なりあうようにもたれ合います。籠のようなペレットの網の目の中に、何もない閉じた空間が立ち現れますが、一方でその空間は光や風といった周囲の環境の変化に影響をうけ、私たちは事物の外側・内側があいまいになるような感覚を覚えます。
本展では、湘南の陽光がふりそそぐテーマホールの大きな空間を舞台として新作2点を含む16点の作品から活躍著しい作家の歩みをふりかえります。