掛軸、巻物、屏風-東アジア独自の書画芸術の形式である「表装」。そこには保存・管理から装飾・演出まで、さまざまな知恵と美意識が凝縮されています。表装の取り合わせの数々は、所蔵者がその作品をどう見ていたか、どう見せたかったかをも伝えるもうひとつの美術史ともいえるでしょう。本展では当館所蔵の住友コレクションより、通常脇役とされる書画の表装にスポットをあて、その多彩な展開を紹介、そこにこめられた思いをさぐります。また表装の仕立や修理のほか、インテリアデザイナー、作家との仲介役など表具師の多岐にわたる活動を、住友家15代春翠と井口邨僊の交流を例にたどります。