童画、版画など多岐にわたる作品を制作し、生涯にわたってひとつの画風に留まることのない自由奔放ぶりで知られる初山滋。1919年、童話雑誌『おとぎの世界』の中心画家として表紙を担当し名声を得ます。その後も『コドモノクニ』や『未明童話集』など、子供向けの挿絵を多く手掛けました。1927年に武井武雄、岡本帰一らとともに日本童画家協会を結成し、童画の分野を開拓します。
戦争が近づき童画の仕事が減ると創作版画の制作を開始。「彫り進み」の技法による版画作品、私刊本となる手打絵本の制作にも力を注いでいきます。武井武雄に「独創的な初山イズム」と称された初山の世界をご紹介します。