公開制作は、アーティストが一定期間美術館に滞在して作品を制作し、その制作過程や完成した作品をご覧いただくプログラムです。vol.3となる今年度は、自身の経験や発見から物語をつむぎ、絵画や写真、手回しの動画装置キノーラによるアニメーションを手掛ける蓮沼昌宏を招へいします。
アーティストは展覧会への参加が決まると、あるテーマに沿って作品を制作することがよくあります。これは蓮沼にとっても例外ではなく、様々な展覧会やプロジェクトに参加するなかで数多くの作品を発表してきました。
そこで、今回の公開制作は「制作そのもの」に向き合う期間とし、前半のおおよそ3ヵ月間はあえてテーマを設けずにひたすら手を動かすことにしました。こうして生まれた作品で展覧会を構成し、後半の展示期間を迎えます。通常(・・)とは逆順をたどった展覧会では、どんな景色が見えてくるでしょうか。
ゴールを目指さない制作の行為は作ることの原点ともいえるかもしれません。ぜひ繰り返し足を運び、アーティストの滞在ごとに変化していく会場の様子もお楽しみください。