『ぐるんぱのようちえん』や『たろうのおでかけ』など、いくつもの人気絵本を世に出した堀内誠一。図案家の父の影響で幼い時から絵を描くことが好きだったという堀内は、デザイナーとして研鑽を積み、時代をリードするアートディレクターとして「anan」や「BRUTUS」など、よく知られた雑誌のロゴや、本の装丁、ポスターのデザインなど多様な仕事を展開しました。その一方で1958年には初の絵本『くろうまブランキー』の絵を手がけ、以来、物語を子どもたちが楽しめるよう、構成や構図に工夫をこらし、さまざまな画風、画材を用いて多彩な絵本を数多く生み出しました。
本展は、伝説的なアートディレクターであり、絵本作家でもあった堀内の「絵の世界」に注目します。初公開となる若き日の油彩画、絵本の原画、さらに旅を愛した堀内が細やかに描きあげた絵地図まで、その画業の全貌をひもときます。「描くこと」は堀内の創作の原点であり、生きる喜びでもありました。ときに愛らしく、ときに鋭くアヴァンギャルドな堀内誠一の絵の世界をお楽しみください。