本プログラムでは、現代美術のアーティストはもちろん、キュレーター、リサーチャー等の文化芸術活動を行う方を対象として、展覧会、パフォーマンス、ワークショップ、トーク等の活動を、企画段階から、リサーチ、設営、発表の実施、カタログでの記録までACACが全面的に協働します。展覧会の開催は必須ではありませんが、活動を広く知ってもらうための何らかの交流プログラムを実施することが必要です。滞在期間は、最短1ターム14日間から最長7ターム98日間まで、2週間刻みの希望期間となり、今年度は約3年ぶりにすべてのアーティストへ滞在期間制限を設けることなく開催できることとなりました。基本的にACACへの実滞在を推奨しますが、リモートで行う意義のある活動についてはリモート参加も受け付けます。
ここ数年、世界では感染症による混乱や戦火の足音が聞こえ、私たちは近くの危機への対応を迫られながら、遠くの地への想像力を持つことをさらに要請されているのではないでしょうか。ACACでも都度対策を講じながら、世界中とつながりを持ち続けるための方法を、本レジデンスプログラムを通して考え続けてきました。
今年度のプログラム名称とした「starquakes」は、恒星が生み出す微弱な振動を意味しています。それは誰も観測し得ないものかもしれませんが、どこかで確かに、そのエネルギーは星の生命の証として放たれているのです。創作活動や研究へと打ち込む個々の震えは、発生すると同時に、もしかすると、誰かを巻き込み共振していく力をも生み出しているのかも
しれません。このプログラムの名称は、表現者の活動を規定するようなテーマではなく、ACACのAIRの現在形を考え、更新していくための指標です。本レジデンスは最長98日間と、決して長期のプログラムではありませんが、その中でも世界中に散らばっているこれら星々の鼓動と、ACACの場を通して触れ合い、様々な表現者たちや地域住民・学生たちを巻き込みながら共振し合えることを願っています。