タイトル等
小林孝亘 うつわたち
会場
西村画廊
会期
2023-11-07~2023-12-09
休催日
日曜、月曜、祝日休廊 (ただし11月20日は開廊)
概要
西村画廊では、2023年11月7日(火)から12月9日(土)まで、小林孝亘の新作17点による展覧会 『うつわたちーVessels』を開催いたします。

小林孝亘は1960年東京日本橋に生まれ、1986年愛知県立芸術大学美術学部油画科を卒業しました。1990年代半ばから頭角を現し、これまで国立国際美術館(2000年)、目黒区美術館(2004年)、横須賀美術館(2014年)での個展をはじめ、国内外で数多くの展覧会に出品してきました。昨年2022年は、豊田市美術館で個展『真昼』を開催、ならびに同時開催のグループ展『サンセット/サンライズ』にも参加し、好評を博しました。当画廊では1996年から継続的に展覧会を開催しています。

「これまでずっと、具体的なものを題材に具象的な絵を描いてきた。様々なものを描いてきたが、何を描いても、描かれているものやそれを取り巻く状況を描こうとしているわけではなく、目に見える具体的な形をきっかけにして、目には見えない『何か』を描きたいと思っている。その『何か』とは、ものがそこにあるという『存在』ではないかと思う」
小林孝亘

小林は大学を卒業後、外界との接触を自己防衛的に避ける自身の投影として9年近く描き続けた「潜水艦」の時代を経て、器や枕、森など普遍的で日常的なものを題材に、光に重点を置いた絵画を制作してきました。常に時流の動向から一定の距離を保ち、地道に自身の内側を手探りしながら本質的な表現を志向してきた小林の作品は、主に正面から見た左右対称の構図で、我々が普段目にしているごくありふれたものが、奇を衒わない丁寧な筆触で描かれているのが特徴的です。そして、たったそれだけのシンプルな絵画であるのに、あるいはそれゆえに、その見慣れたものが潜在的に持つ非日常性を浮上させ、ひいては「存在」していることの不思議を観者に意識させる、稀有な魅力を有しています。換言すれば、ある対象が象徴的ないしは匿名的に描写されたその画面には、たとえば生きるために眠りを繰り返し死に至る人間の「生/死」の暗喩として枕を描いた《Pillow》シリーズに顕著なように、表裏一体の現象が静かに同居しており、「存在」というこの世界の神秘が輝かしく伏在しています。

本展は、小林の代表的な題材であり、1996年以来今日まで繰り返し描きつづけている「器」の新作絵画のみで構成されます。
小林が絵にする器は、いずれも素朴で無装飾、食事の痕跡もなく、どこにでもありそうな——誰もが概念として心に抱いていそうな——普遍的な姿をしています。しかし、よくよく目を凝らしてみれば、画面に描かれているのは器であって器でなく、畢竟そこに見え隠れする「在る」と「ない」の奇妙さ、すなわち「存在」という根源的なものであるといえ、そのささやかで確かな磁力は、見る者を引き込んで離しません。

当画廊では1年半振り17回目となる小林孝亘の個展に、どうぞご期待ください。
皆様のご来廊を心よりお待ちしております。
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E5%AD%9D%E4%BA%98%E3%80%80%E3%81%86%E3%81%A4%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%A1/
会場住所
〒103-0027
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
交通案内
東京メトロ銀座線 日本橋駅 B1出口より徒歩2分
東京メトロ東西線 日本橋駅 C4出口より徒歩2分
都営浅草線 日本橋駅 D3出口より徒歩2分
JR東京駅 八重洲北口より徒歩8分
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
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