星野富弘は、子どもの頃の思い出や情景を描いた作品をたくさん制作しています。戦争が終わって間もない時代、いつもおなかをすかせていましたが、心豊かに過ごしていました。ドドメ(桑の実)やアケビを見つけては夢中で食べ、木登りをしたり、渡良瀬川で泳いだり、山村を走りまわったあの頃。月にはしごをかけて、みんなで行ってみようと真剣に話したあの頃。目の前の景色すべてがキラキラとしていたあの頃の思い出が、今でも作品を通して色あせずに広がり、どこか不思議な懐かしさと、私たちの心の奥にある子供心を思い起こさせます。
特別展「月にうさぎがいた頃のこと」では、富弘さんの子どもの頃の遊び、思い出にまつわる作品やエッセイを紹介します。ぜひ、ご覧ください。