◎思いがけず感じる清風、偶然目にとまった道端の花など、ほんのわずかな間だけ私たちを留める小さな発見。この展覧会では、通常は見過ごされ、忘れられてしまうような小さな発見や驚きに注目し、そうした体験を見つめなおします。◎2010年代以降、幅を広げながら活動している4名の出展作家は、日常的な体験に取材し、なにかを感じるときに自身に起こる変化を観察しつつ、作品を見る人のささやかなものに反応する感性を刺激します。素潜りやドライブ中のできごとを淡く描いた絵画が、時間や空間が伸び縮みするような感覚を思わせる川角岳大(a)、小さな謎を写真や日常会話のなかに見つけ探る澤田華(b)、会場に自らの身を置きリアルタイムで作品を更新しつづけるパフォーマンスを発表してきた関川航平(c)、天気を作品にとりこみ異なる場所や時間を想像させる船川翔司(d)。それぞれの作品は、ありあまるほどの情報に晒される現代社会で感覚の確かさについて問いかけ、どこまでも汲みつくせない魅力を湛えています。