奈義町現代美術館では、「絵画:想起のかたち 佐川晃司×安喜万佐子展」を開催する運びとなりました。
日常の風景と知覚の関係について考察し、絵画表現の持つ可能性を本質的に問おうとする作品を一貫して制作してきた佐川晃司。
世界の様々な場や土地を取材していき、その場所や風景の記憶、時間を切り口としながら、他者の「記憶」に深く関わろうとする独特のスタンスで絵画を制作展開させてきた安喜万佐子。
「風景」という共通のモチーフを共有しながら、異なる視線とアプローチから捉えた絵画制作を展開していく関西を代表する二人の画家による展覧会です。
一貫して色面や線、幾何学的なシンプルで重層した深い色調から構成された独自の画風を確立してきた佐川と、東洋と西洋の技法を取り入れ、場所の記憶と時間の痕跡等が幾重にも重なる安喜の絵画が、奈義の場所で交じり合うことで互いに響き合い、観る者の感覚に多角的、重層的な経験を促し、揺さぶりをかけてくる作品空間となることでしょう。