北海道立釧路芸術館では2022(令和4)年度に7件の作品の寄贈を受けました。野口俊一(1910~1999)が水彩絵具で描いた、爽やかな街並みと釧路港。太平洋炭礦に勤めながら独学で油彩に取り組んだ小林一雄(1914~2009)による、漁船がひしめくにぎやかな釧路川の光景。2022年に地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)を受賞した日本画家・羽生輝(1941生)が、原田康子『挽歌』の新聞連載のために描いた挿絵原画。彫刻家・中江紀洋(1943~2021)が晩年に制作した彫刻と絵画・・・。どの作品も、作家自身が生活した釧路の地をみつめて生み出したものです。
また、釧路のシンボル・弊舞橋のために舟越保武(1912~2002)、佐藤忠良(1912~2011)、柳原義達(1910~2004)、本郷新(1905~1980)が手掛けた〈「道東の四季」の像〉のエスキース、釧路市生まれの建築家・毛綱毅曠(1941~2001)が釧路市内に建築した住宅〈北国の憂鬱〉(現存せず)の設計図の寄託を受けました。
本展では釧路芸術館のコレクションに新たに加わった作品をおひろめします。「ニュー・フェイス」との出会いを、どうぞお楽しみに。