1936年名古屋に生まれた荒川修作は、東京での作家活動を捨て、『もう少し遠くへ』と1961年ニューヨークに渡ります。オノ・ヨーコのアトリエを制作拠点として、マルセル・デュシャンをはじめとする多くのアーティストとの交流の中で、パートナーとなる詩人マドリン・ギンズ(1941-2014)と出会います。二人が取り組んだのは<意味とは何か?>という問題です。私たちはいつも何かを<感じ/考え>ていますが、その多くは<言葉>を通した<意味>についてのものです。
二人はその<意味>の徹底的な追究に取り組んだのです。それから25年を経て、継続中のプロジェクトとして完成したのが「意味のメカニズム」です。作品は81点の大型平面と44点のドローイング、さらに写真と模型を加えた総数127点。ライフワークと呼べる大シリーズ作品を一挙公開するこの機会に、見ることの意味を超えて、もう少し遠くへ行ってみませんか?