声高に叫ばれる言葉よりも聞こえないほどの小さな声に耳を傾けたいときがあります。ときには静寂の時間に身を置いて日々のあれこれから離れたいときがあります。
海老優子作品に広がる草原やたびたび登場するベッドはある種の怖さを感じる一方、神聖な安らぎの場所にも思えて誘われます。
岡林真由子が描く街角は現実世界とパラレルに存在するもうひとつの場所。音がなく夜に浮かぶカラフルな色の空間に舞台性と詩情を感じます。
彫刻出身の小野潤一作品がまとまっている私小説のような空気感と少年性は、繊細で時間にとらわれない自由な心のなかを覗き見るようです。
三人三様の物語を抱えた作品をきっかけに、今、此処で、静かなひとときを過ごしたいと思います。 ギャラリーモーニング