横浜市歴史博物館では、開館以来、人々の暮らしのようすを知るための資料を広く集めてきました。その中に、江戸時代のさまざまな仕事や職人の姿、庶民(しょみん)の暮らしや遊びが描かれた「風俗絵巻(ふうぞくえまき)」とよばれるものがあります。
当時の文化人といわれる人々は、生活や風習、使っていたさまざまな道具、遊びの様子、旅の風景などを好んで画材(がざい)としていました。専門の絵師(えし)が描くものとちがい、これらの風俗画は、身近なものが題材となっているため、見ていて肩のこるものではなく、どちらかというと軽いタッチで、とても親しみやすいものです。当時流行した浮世絵とは、またちがった味わいを感じ取ることができるものと思います。
今回は、こうした江戸時代のさまざまな風俗が描かれた絵画を紹介し、当時の人々の姿をごらんにいれます。現在の私たちの毎日の暮らしの姿と同じところ、ちがっているところを見くらべてください。