絵画における空間の問題をテーマに独自の表現を探求し続けている、湯川雅紀(1966~ )の近年の制作を紹介する展覧会を開催します。
湯川は和歌山県海南市に生まれ、1989(平成元)年に和歌山大学教育学部を卒業、1991(平成3)年に大阪教育大学大学院美術教育研究科を修了しました。その後1996(平成8)年までドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに学び、マイスターシューラ―(最高学位)を取得、ドイツを拠点に制作を続けながら日本でも1998年の「VOCA展‘98」でVOCA賞を受賞しました。2010(平成22)年に帰国した後も、意欲的に制作と発表を続けながら教育にも携わり、現在関西福祉科学大学教育学部の教授を務めています。
本展覧会では、ドイツから帰国以来、現在までの約10年間の湯川の制作に注目して、その作品を展観します。多様な円形で層状の画面を構成する湯川の絵画は、作品上に緩やかで複雑な空間を生み出し、時には画面の外へと鑑賞者を促します。本展覧会の開催にあわせて制作される最新作も展示します。