この展覧会は、オーストラリアの先住民アボリジニの美術作品と、アフリカのタンザニアに現れたティンガディンガ派の絵画を併せて紹介するものです。
アボリジニの美術は、樹皮や木を彫刻したものに天然の顔料で、人間や動物などの具象的なものや抽象的な模様を描いています。それは、文字をもたない彼等の先祖伝来の世界観や価値観を表した「ドリーミング」と呼ばれるものです。
ティンガティンガは、1960年代の後半にタンザニアに現れた絵画派の一派です。エナメル絵の具を用いて鮮やかな色彩のグラデーションを描き、その上にシマウマやフラミンゴといった動物や人々の生活風景を装飾的に描いています。
どちらも、命を育んでくれる大地の恩恵への感謝と賛辞が感じられ、現代を生きる私たちには、新たな感動や価値観を発見できる機会となるでしょう。
尚、この展覧会は、当館と飛騨・世界文化センターと協力して準備・開催するもので、当館での開催後、6月26日(土)から8月29(日)まで、飛騨・世界生活文化センターへ巡回します。