岡崎市美術館では、平成15年度収蔵品展として「藤井達吉の総合芸術 継色紙展」を開催いたします。
明治14年、現在の碧南市に生まれた藤井達吉は、昭和39年岡崎市で歿するまでの83年間、その生涯を芸術一筋に打ち込まれました。その活動範囲は驚くほど広く、染織、七宝、金工、木工、漆工、陶芸といった工芸全般をはじめとして、絵画、書、図案、和歌の分野など芸術文化の全域にわたっています。
戦後、紙そのものの素材に注目しはじめた達吉が、晩年、日本画から和紙工芸を経て総合的な美意識の結集として完成させたもの、それが継色紙です。絵画、デザイン、書、和歌が渾然一体となった、まさに達吉が目指した総合芸術ともいうべきものです。
本展では、岡崎市美術館が所蔵するコレクションから、藤井達吉の継色紙の作品を紹介いたします。絵と書による造形美と自作の和歌による精神性が融合するこれらの作品群を通して、達吉芸術の真髄を伺うことができると思います。
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