私はこれまで高さ5m幅16mほどの大画面で東日本大震災を描いてきました。その3点を神戸で展示した「加川広重巨大絵画が繋ぐ東北と神戸」(KIITO・2013-2015)、あれから5年近くが経過し、今度はギャラリー島田で今描きたいことを表現します。
大規模な自然災害はほんの短い時間で、その場所で培われて来たものを根こそぎ奪い去っていきます。あれからちょうど10年が経過しましたが、あの時に見た数々の衝撃的な光景はずっと目に焼き付いています。
私は自分の中にずっと流れている3.11の光景を向き合い、どうしても忘れられない建築物からイメージを膨らませたり、被災地の現状から着想を得ながら、自然災害によって浮かび上がる人間や文明の儚さのようなものをギャラリー島田の壁面一杯に表現したいと考えています。
加川広重