古来より日本絵画では、植物や鳥をはじめとする小動物、虫などを描いた「花鳥画」が盛んに描かれてきましたが、中でも文人画は、儒教思想を背景にしていることから、描かれる花や草木そのものに特定の意味を持たせていることが多く、『芥子園画伝』や『八種画譜』などの画手本を参考に多くの画家が動植物を画題に作品をのこしています。田辺市立美術館展示室1・2では、当館の文人画コレクションの中から、これら花鳥表現に注目した作品をご覧いただき、文人画独特の動植物の描き方と絵に込められた気持ちを感じとっていただければと思います。