寄木細工は、江戸時代に駿府(現在の静岡県静岡市)で盛んに製作されました。江戸時代後期になると、その技術が箱根へ伝わり、明治時代以降は「箱根細工」とも称される伝統工芸品として有名になりました。木地がもつ自然色や、木目の異なる木片を巧みに組み合わせた表情豊かな文様は、日本国内に止まらず欧米の人々をも魅了しました。
本展で紹介する寄木細工の多くは、幕末から明治時代にかけて海外へ輸出されたものです。金子皓彦氏が世界を股にかけて収集した世界一の寄木細工コレクションは、現在10万点以上に及びます。本展では、厳選した至極の作品約140点を紹介します。