タイトル等
ちひろ美術館コレクション展
列車でいこう!
会場
安曇野ちひろ美術館
会期
2019-05-17~2019-07-16
主催者
ちひろ美術館、信濃毎日新聞社
協賛・協力等
協力 鉄道博物館
特別協賛 株式会社ジャクエツ
協賛 小野谷機工株式会社
概要
「列車:旅客・貨物の輸送のために仕立てられた車両の一つらなり」(『辞林』三省堂)。蒸気機関車が最初に走行したのがイギリスで1804年、日本で初の鉄道は1872年に新橋―横浜間に開通しました。蒸気機関から電気へ、と技術の進化を受けながら、列車は今も国を超えて利用されています。絵本にも列車は時代を超えて登場するテーマのひとつです。

本展では、ちひろ美術館コレクションから列車を描いた作品をとりあげ、5つの章にわけて紹介します。

汽車
大きな黒い車体、蒸気の吹き出す音、石炭の香り、汽車を初めて見た人はどんなに驚いたことでしょう。岡本帰一は、子どものための絵雑誌「コドモノクニ」や「コドモアサヒ」などに子どもの絵を中心に描き続けた画家ですが、蒸気機関車を描いたこの作品には、時代の最先端の乗りものへの憧れに似た気持ちが感じられます。トンネルから出てくるその姿は、重々しくスピード感と迫力に満ちています。

ポーランドのユゼフ・ヴィルコンが描く絵本『ボンコ』には、バイソンのボンコが動物園から逃げていく道の途中で出会った蒸気機関車が、遠景から描かれています。線路の先にバイソンを見て慌てて停止した汽車のブレーキの蒸気や、機関士の驚いた顔まで丁寧に描かれ、画面からは、警告する汽笛音まで聞こえてきそうです。ヴィルコンの父親は鉄道員であったということもあり、汽車や鉄道には、どこか特別な想いがあったと想像されます。

路面電車―停車場で待つ韓国の絵本『かあさんまだかな』の主人公の男の子は寒い冬空の下、路面電車の停車場でひとり母親を待ちます。電車が到着する度に、「ぼくのかあさんは?」と運転手にたずね、その度に「知らないねえ」という返事とともに、路面電車は過ぎ去っていきます。男の子を含め、電車をじっと停車場で待つ人々と、来ては行く電車の対比が印象的です。画家のキム・ドンソンは、この絵本の核心のひとつを「待つこと」ととらえ、男の子の退屈した気持ちを、停車場の場面では単色の線描で表現したと語っています。

地下鉄―消えた切符
同じく韓国のシン・ドンジュンの絵本に登場するのは、ソウル市の地下鉄3号線。ホームから乗り換えのために移動する人たちは、よく見ると、紙の切符をコラージュしてつくられています。今ではソウルの地下鉄では紙の切符は廃止されてしまったため、裏に磁気テープの線が入ったこれらの切符はもう存在しませんが、そのシャープでどこかユーモラスな形が、都市の賑やかな地下鉄のホームのようすをうまく表現しています。

『がたごとがたごと』
列車は、乗せた人々をある場所から別の場所へ移動する、旅の乗りものでもあります。その神秘と楽しさを同時に表現しているのが、西村繁男の『がたごとがたごと』(童心社)。『やこうれっしゃ』(福音館書店)に次ぐ彼の電車絵本であり、作家内田麟太郎との初めての共作でもあります。文章は「おきゃくがのりますぞろぞろぞろ」「がたごと がたごと」「おきゃくがおりますぞろぞろぞろ」の繰り返しのみ。そのシンプルなテキストとは反対に、絵は細部まで描きこまれており、降りてくる客たちをよく見ると、乗ったときと何かが違う……列車は、時や次元をも超える手段だったのです。

不思議な電車
電車は、画家たちの想像力を得て、思いもしなかった形に変化することがあります。そんな、不思議な電車が登場する絵本を最後にご紹介しましょう。

『でんしゃえほん』は、タイトルのとおり、電車がページごとに登場する絵本ですが、こんな電車があったらいいな、という作者や私たちの願望が投影されています。例えば「かぶとむしでんしゃ」。よく見ると、かぶとむしの触覚に電線がつながっており、目はランプで足の先には車輪、なかにのっている子どもは虫取り網を持っている、と完璧です。井上洋介の電車への愛を感じるのは、自由な線でありながら、乗客、運転手、つり革など電車の各要素にも注目して描いているからです。

列車絵本の数々をお楽しみください。
ホームページ
https://chihiro.jp/azumino/exhibitions/24226/
会場住所
〒399-8501
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
交通案内
[電車によるアクセス]

■安曇野ちひろ美術館の最寄り駅
●JR大糸線 信濃松川駅
信濃松川駅から 安曇野ちひろ美術館まで 約2.5km
・タクシー 約5分
・レンタサイクル 約15分
・徒歩 約30分
※ レンタサイクルは、信濃松川駅前で借りることができます。お問い合わせ先:セピア安曇野・松川村観光協会 TEL. 0261-62-6930

●JR大糸線 穂高駅
穂高駅より あづみ野周遊バス利用 約20分
※ あづみ野周遊バス
穂高駅を中心とした安曇野の観光地を巡る周遊バスです (運行区間内は乗り降り自由)。
4月下旬から11月上旬まで土日祝のみ運行。 (ただし、GW・7月下旬~9月上旬は平日も運行)

●JR大糸線 信濃大町駅
信濃大町駅より 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」利用 約35分
※ 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」
7月上旬から11月上旬までの土日祝のみ運行。 (ただし、7月下旬~9月上旬は平日も運行)

■長野市からのアクセス
長野駅から JR篠ノ井線にて 松本駅 へ
松本駅で JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

長野駅から 松本駅を経由し、南小谷駅へ行くリゾート列車も利用できます。(1日1往復)

<補足>
長野市からは大町への高速バスもございます。
※ このバスをご利用の場合は、信濃大町駅バス停にて下車、JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 まで電車をご利用ください。
また、7月上旬から11月上旬まで 大町周遊バス「ぐるりん号」が運行しております。安曇野ちひろ美術館を通るコースもございますので、ご利用ください。

■松本市からのアクセス
JR大糸線にて 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

[飛行機(信州まつもと空港)からのアクセス]
信州まつもと空港から、安曇野市(穂高駅前)・池田町(道の駅池田)・松川村(すずむし荘)・大町市(大町温泉郷)・白馬村(神城駅、白馬八方バスターミナル)・小谷村(栂池高原)を往復するシャトルバスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 松川村(すずむし荘) 下車 徒歩 5分程度

[都心から高速バスによるアクセス]
東京 新宿駅西口バスターミナル から白馬方面へ高速バスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 安曇野松川 下車 タクシー 約8分

[車によるアクセス]

長野自動車道「安曇野」I.C.より 大町・白馬方面へ 約30分
※駐車台数 200台(第1・2駐車場合計) 大型バス 8台(第1駐車場)
※第1駐車場から美術館までは約徒歩2分です(一部段差あり)。 お体の不自由な方は、身障者用駐車場もございますので、事前にご連絡ください。(TEL:0261-62-0772)

※2012年10月7日より 豊科ICは 安曇野ICへ名称変更いたしました
ホームページ
https://www.chihiro.jp/
会場問合せ先
テレフォンガイド:0261-62-0777
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
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