画家たちは、動物や植物、魚類などの自然の事象や現象をはじめ、実際には目には見えない心象風景までも人や物の形に託して、さまざまな表現方法で描き出しています。本物そっくりに描いたリアルな表現、石膏などの素材を活かした表現、事象をシンプルに抽象化するなど、画家の個性を発揮した独自の方法はバリエーションがとても豊かです。
そうした絵画を、「おちる」、「まわる」、「ゆがむ」など、カガク的な視線でじっくりと観察し、分析して視ることで、今まで気づかなかった新たな世界を発見するに違いありません。そこには、色彩や構図、用いる素材に対する画家たちの確かな意図が秘められています。
観る側の想像力をかき立ててやまない、ふしぎな魅力に満ちた絵画の世界をお楽しみください。