画家・遠藤彰子(1947-)は、人間を取り巻く自然界に存在するあらゆる現象を描き出し、その壮大な世界観で観るものに圧倒的な印象を残してきました。500号を超える大作群のうねりのある構図から引き起こされる、その躍動感やエネルギーの前では、まるで絵の中に引き込まれるかのような不思議な感覚に陥ることでしょう。
遠藤彰子はこれまで一貫して「人間の存在」及び「今生きている実感」をテーマに描き続けてきました。画家を志して以来、この50数年間1日も筆を持たなかった日はないと語り、年に一度500号以上の大作に挑み続けるそのバイタリティには誰もが驚愕し、そして敬服せざるを得ません。
本展は、その遠藤彰子の画業の節目ともなる大規模な展覧会となります。初期の「楽園シリーズ」から、飛躍のきっかけとなった郷愁を誘う「街シリーズ」、そして現在に至るまでの500号~1500号の大作群を中心に、立体や挿画を加え、これまでの広範な活動の軌跡を一堂に会して展観します。
遠藤彰子が全身全霊を込めて描いた作品群。それらを前にして、観るものは、画面から溢れ出る“Cosmic Soul”-宇宙の魂-を感じずにはいられないでしょう。今を生きる私たちに明日への希望を与えてくれる、その輝きに満ちた作品群を、ぜひご覧ください。