開催の背景
資生堂は創業から145年、“新たな価値の発見と創造をめざす”という想いから、時代とともに新しい美を生みだし、社会に提案し続けてきました。現在、中長期戦略「VISION2020」のもと、100年先も輝き続ける企業となる原型をつくるために活動しています。
持続的な成長のためにあらためて重要だと捉えているのが、当社が受け継ぎ、蓄積してきた伝統と文化です。これは資生堂の独自性を生む源泉となっています。
長期的な企業成長のために必要な観点としてESG (Environment (環境)、 Society(社会)、Governance (ガバナンス)の取り組みが注目されていますが、資生堂では独自にカルチャーの“C"を加えた「ESCG」の取り組みに注力しています。
『LINK OF LIFE』は、2015年から資生堂の新たな試みとして、クリエイティブディレクター藤原大氏のコーチングのもと、資生堂の研究員、社員が異分野のクリエイターや企業・団体とリンクして新たな価値創造の可能性を探り、展覧会という形式で、当社本社ビルの「資生堂花椿ホール」にてその成果を公開してきました。
3回目となる今年度は、『LINK OF LIFE』を資生堂の文化発信装置としてリニューアルし、現存する日本で最古の画廊といわれ、“新しい美の発見と創造”を活動理念とする「資生堂ギャラリー」にて開催します。
『LINK OF LIFE』について
2015年の『LINK OF LIFE』では、「さわる。ふれる。美の大実験室」として、身近な行為でありながら表現が
難しい「感触」をテーマとしました。2016年は「エイジングは未来だ」をテーマに、1989年から資生堂が提唱してきた「サクセスフルエイジング」(=美しく年を重ねる)という概念を核に据え、少子高齢化社会が現実のものとなった状況をふまえ、未来における美しい生き方を考えました。
今年度は、現代における“新しい美”について、資生堂の研究員、社員が外部のアーティストや企業・団体とリンクし、新たなインスピレーションと最新のテクノロジーを結合させた作品を制作します。昨年のテーマとしていた「サクセスフルエイジング」を再解釈し、『右脳を刺激して感性を研ぎ澄ませ、遊びゴコロを満たして美しさを重ねる』=『asobi-neering (アソビニアリング)」という考え方を新たに提唱して、感性(右脳)刺激によってひとが本来持つ美しさを引きだすアート作品を発信します。右脳がよろこび、未来が豊かになるヒントが見つかる展覧会をめざします。