佐倉市立美術館は、「佐倉・房総ゆかりの作家」の調査・研究を活動方針の一つとして掲げています。今回は、佐倉ゆかりの画家・柴宮忠徳の作品をご紹介いたします。
柴宮は1938年に長野県箕輪町に生まれ、1982年から2007年に逝去するまでの25年間を千葉県佐倉市で制作に励みました。柴宮は東京学芸大学美術科を卒業後、昭和学院高校の教諭として教鞭を執りますが、1970年に教職を辞し、以後制作活動に専念する生活を送りました。主に立軌会を発表の場として制作を続ける一方、『月間ペン』(1979年~1980年)や幼児雑教育雑誌『きらら』(1983年~1996年の表紙画を担当するなど、絵画制作に限らず様々な分野で活動を続けました。発後10年にあたる今年、ゆかりの地・佐倉でその画業を振り返ります。
本展では、初期の厚塗りの油彩作品から構成水彩作品、鮮やかな原色を多用した作品、荒涼とした緑の大地が続く風景画、幻想的な心象風景、そして繰り返し描いた「樹」をモチーフとした作品群まで、柴宮が取り組んだ作品を一堂に集めてご紹介します。鮮やかな色彩溢れる柴宮忠徳の世界を、ぜひお楽しみ下さい。