このたび熊本市現代美術館では「高橋コレクションの宇宙」を開催します。
精神科医・高橋龍太郎氏によって収集された高橋コレクションは、1990年代以降の日本の現代美術を主軸に据えたプライベートコレクションです。きっかけとなったのは、1960年代後半に草間彌生がニューヨークで行っていたベトナム反戦を訴えるパフォーマンス「ハプニング」を知ったことでした。同時代、最前線を全身全力で生きるアーティスト。それから30年後、高橋氏は初めて草間彌生の作品《No. 27》(1997)を手に入れました。以後も、高橋氏の日本の現代美術への興味は留まることなく、さらには日本人コレクターとしての使命感も芽生え、収集は加速していきます。そして、僅か数点だったコレクションは、「ネオテニー・ジャパン――高橋コレクション」(2008-10、霧島アートの森ほか巡回)を皮切りに、日本各地の美術館でも展覧会として開催される規模になりました。
本展では、2017年現在、2500点を超えるコレクションから、36作家、約120点を展示することで、今なお拡がりつづける高橋コレクションをご紹介します。