理想の女性美の描出を目指した「美人画」は、江戸期の浮世絵の伝統を受け継ぎつつ、明治期以降一つのジャンルとして確立しました。描かれる対象は、優美で品格高い女性の姿だけではなく、市井の女性のあるがままの姿、内面や真の姿に迫った革新的な女性像など、時代の様相を反映し、多様化していきました。
本展でご覧いただくのは京都市美術館所蔵の美人画の優品60点です。京都市美術館は1933(昭和8)年の開館以来、明治期以降の京都を中心とした美術・工芸品を収集し、特に京都画壇隆盛期の作品の充実は、他に類を見ないものとなっています。京都画壇で制作された美人画の名品を通して、多彩な女性の美をご鑑賞ください。