日本画家片岡球子(1905-2008)が亡くなって8年がたちました。1989年、文化勲章を受章し、歴史的にも名を残した片岡球子の評価は、戦後の日本画を刷新し、伝統を踏まえながらも、さらに現代的な日本画を作り上げたことにあります。1966年から着手した<面構>(つらがまえ)シリーズは、独自の解釈で武将や絵師といった歴史的人物像を描きだした代表作です。
神奈川県立近代美術館と片岡球子との縁はとても深いものがあり、1979年に初の回顧展、2005年には100歳を記念する大規模な回顧展を開催しました。本展では所蔵作品から選りすぐりの約20点を展示いたします。
大高正人の設計により1984年に完成した鎌倉別館は、リニューアル・オープンを目指し準備を進めております。再評価の高まる大高建築の重厚で落ち着いた空間で、片岡球子の芸術をあらためて存分にご鑑賞ください。