江戸時代の重要な画家である、伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう、1716-1800)と与謝蕪村(よさ・ぶそん、1716-84)の生誕300年を記念して開催する展覧会です。
伊藤若冲の晩年の代表作のひとつ「菜蟲譜」は、佐野市立吉澤記念美術館の代表的な所蔵品です。本年は、すでに「生誕300年 若冲」展(東京都美術館)で多くの方にご覧いただいたところですが、当館でも観賞の機会を設けたいと思います。
与謝蕪村は、俳人として知られる一方、「南画」「俳画」という分野を完成させた江戸時代の代表的な画家です。現在の大阪府に生まれ、若冲と同時代の京都で活躍しましたが、20~30歳代は関東で過ごしました。俳人・画家としての基礎を築く蕪村を支えたのは、結城・下館(茨城県)・宇都宮(栃木県)の、共に夜半亭宋阿(早野巴人:栃木県烏山出身)に師事した仲間やその縁者たちでした。
本展では、関東滞在期の作品や、初めて「蕪村」号を用いた句集『宇都宮歳旦帖』などを展示し、蕪村の北関東での活動を紹介します。また、上方(近畿地方)に戻ってから制作された、蕪村の魅力を余すことなく伝える優品も展示します。初公開作品・資料や公開の機会がきわめて少ない作品を中心にご覧いただく大変貴重な機会ですので、お見逃しなくご覧ください。
「菜の花や月は東に日は西に」の句で親しまれる蕪村の、関東と関西時代双方の魅力を味わっていただく良い機会となれば幸いです。
伊藤若冲(じゃくちゅう)「菜蟲譜(さいちゅうふ)」[重要文化財・期間限定公開]
[原本公開期間]
2016.10.29SAT→11.20SUN
前半部分展示 10/29→11/8
後半部分展示 11/9→20
会期中の休館日 蕪村展と同じ
伊藤若冲の生誕300年を記念して、若冲の晩年の代表作「菜蟲譜」の公開を行います。
青物問屋の主人だった若冲が描いた、ユーモラスな野菜や小さないきものたちをお楽しみください。
初公開 高精細複製【絹本印刷】
公開期間 11/22~12/11
東京文化研究所への委託研究で制作された最新技術による複製。絹本印刷、原本と同様の表装。
併催 陶芸:東と西の彩磁/板谷波山・楠部彌弌