1982年9月に開館した三重県立美術館は、開館の3年前から作品収集活動をスタートさせました。収集にあたっては、(1)江戸時代以降の作品で三重県出身ないし三重にゆかりの深い作家の作品、(2)明治時代以降の近代洋画の流れをたどれる作品、また日本の近代美術に深い影響を与えた外国の作品、(3)作家の創作活動の背景を知ることのできる素描、下絵、水彩画等、という基本方針がたてられました。また、三重県とスペインのバレンシア州に姉妹提携が結ばれることになったことから、1992年には、(4)スペイン美術、が加えられました。
開館時、約360点だった所蔵作品は、購入や寄贈によって少しずつ充実し、現在では約5,000点を数えるに至っています。当館の収蔵作品は、まだ成長途上ではありますが、明治から昭和にいたる流れをほぼ概観することができる近代洋画、日本画では江戸時代の特異な画家として近年高く評価されている曾我蕭白、松阪出身で主に京都で活躍した宇田荻邨の作品などは、特徴あるコレクションということができるでしょう。
常設展示室では、これらの所蔵作品を、1年を4期にわけてご紹介しています。今期の【美術館のコレクションⅠ】では、第1室 「日本近代洋画と西洋美術」、第2室 「特集展示:生誕120年 宇田荻邨」、第3室 「美術館のどうぶつたち」と題して、三重県立美術館の所蔵品をご覧いただきます。三重県立美術館のコレクションをどうぞお楽しみください。