昨年2013年、川崎市市民ミュージアムは、現代美術への新たな試みをスタートしました。その皮切りとして、2013年7月~9月「新世代アーティスト展 セカイがハンテンし、テイク」と題し、現代美術の若手作家8組のグループ展を開催しました。出品作家のうちの1組である藤村豪・内野清香は、人と人とのコミュニケーションのありかたを作品制作のテーマとしているユニットです。彼らはあるイベントを作り出し、その中で人々の間に新たなコミュニケーションを引き起こし、そのプロセス全体を作品とする、という手法を用いています。彼らがこれまで抱いてきたモチーフのひとつに、「誰かの書いたテキスト」、「記憶と伝達」があります。それは映画監督フランソワ・トリュフォーの「アントワーヌ・ドワネル5部作」から強くインスパイアされたものでした。
今回市民ミュージアムでは、現代美術の若手作家を支援・育成していく試みをさらに一歩深めた試みとして、藤村豪・内野清香によるフランソワ・トリュフォー監督の映画作品「ドワネル5部作」をテーマにした作品の展示を実施します。また、展示作品と映画に関連したイベントを実施します。映画館と美術館が一体となる空間で、新たな作品体験を味わってください。