古くから「詩は有声の絵、絵は無声の詩」と言われ、東洋の芸術において、詩と絵画は互いにわかちがたく結びついてきました。
日本では平安時代以降、和歌に詠まれた四季折々の景物、名所風景が、屏風や襖などのさまざまな絵に描かれ、ときに画面の一角に書きつけられた和歌とともに、歌、書、絵が三位一体となって、鑑賞されてきました。
中世以降に盛んに作られた、漢詩に水墨画を組み合わせた詩画軸や、江戸時代の中国文人趣味を色濃く反映した「文人画」も、詩、書、画共に優れていることが理想とされ、三者一体で鑑賞することが常とされました。
今回の展示では、詩歌と絵画の競演が生み出した、江戸時代の豊かな造形世界をご紹介します。