日常は、すこし/不思議
神奈川県民ホールギャラリーは、5つの展示室からなる約1300㎡の広大な展示室を活用し、1975年の開館以来、様々な現代美術を紹介する展覧会を開催してきました。本展は、近年開催した塩田千春展「沈黙から」(2007年)、小金沢健人展「あれとこれのあいだ」(2008年)泉太郎展「こねる」(2010年)、さわひらき展「Whirl」(2012年)に続く、若手作家に焦点をあてたシリーズにおける5人目の個展となります。今回は、「サイエンス/フィクション」と題し、映像やサウンド、オブジェなどを巧みに関係させるインスタレーションで評価が高いアーティスト・八木良太の最大規模の個展を行います。「サイエンス/フィクション」は、いわゆる「SF」を示す言葉ですが、藤子・F・不二雄氏は「すこしふしぎ (Sukoshi Fushigi)」と解釈しました。八木は日常にある様々な事物を、知的好奇心と遊び心を加味した独自の感覚でとらえ直し、モノの機能や性質を解体・再構成することで、鑑賞者の感覚を刺激する作品を数多く発表してきました。八木が巧みに仕掛け、作り上げた空間を体感し、新鮮ですこし不思議な驚きに出会ってみませんか。