「橋本雅也 間 (あわい) なるもの」では代表的なふたつのシリーズを紹介する。
ひとつは花のシリーズである。鹿の骨と角から生まれた彫刻で、誕生は一頭の鹿の死から始まる。橋本は猟師に同行し、冬山で一頭の鹿の死に立ち会う。鹿は、骨、肉、皮となって、橋本の元に残った。白い花を彫り、スイセン、さくらなどの作品となった。2010年の作である。
もうひとつは橋本自身が断髪した髪をモチーフにして制作した髪飾りの作品である。自身の存在論的問いかけが髪を仲介して作品となった。大きくても15,6センチほどのサイズで、水牛の角と漆で出来ている黒くつややかな作品である。2009年の制作である。