ボローニャ国際絵本原画展は、世界でも最大級の規模を誇る絵本原画コンクールとして知られ、1967年より毎年開催されています。48回目となった2014年は、3000を超える応募の中から、日本からの15作家を含む23ヶ国75作家が入選となりました。板橋区立美術館では、今年もその全入選作品を展示します。さらに、ボローニャ・ブックフェアをきっかけに活動の幅を広げた日本人イラストレーター三浦太郎と刀根里衣を、特別展示として紹介します。会期中には絵本に関するさまざまなイベントも予定しています。
2人の日本人イラストレーターに注目!
特別展示 三浦太郎 刀根里衣
今年の特別展示は、ボローニャ・ブックフェアから活動の幅を広げていった2人の日本人イラストレーターを紹介します。
三浦太郎は、ボローニャ展入選をきっかけに、2004年にスイスとイタリアで最初の絵本を出版しました。その後、日本で『くっついた』(2005年)を刊行し、絵本作家として広く知られるようになります。今年、イタリアのコッライーニ出版から新作絵本『ワークマン・ステンシル』を発表し、さらにブックフェア期間中にボローニャ市立現代美術館(MAMbo)でワークマンをテーマに展覧会を開催しました。
ワークマン(はたらく人)は、三浦が一貫して描き続けるモチーフです。今回は、ボローニャ展のために特別に制作・展示します。来場者も参加できる展示になる予定です。
刀根里衣は、2010年にボローニャ・ブックフェアを訪れ、イタリアの出版社と絵本を作りはじめました。現在はミラノを拠点に、おもにヨーロッパで出版しています。ボローニャ展入選やSM出版受賞などもあり、今後の活躍が期待される若手イラストレーターです。
本展では、スペインで出版された新作絵本『ピッポの旅』全18場面の原画と共に、これまでに出版した絵本から原画を紹介します。幻想的な風景の中に、主人公の動物たちを、アクリルガッシュで精緻に描きこみます。そして、その印象的なストーリーも刀根自身によるものです。