忙しい日々の中でほっとできるひとときを作ってくれるモノ、自分を高揚させてくれるモノ、自分を素敵にみせてくれるモノ、寒さや熱さから守ってくれるモノ、食べ物や飲み物を口に運んでくれるモノ、身体を休ませてくれるモノ、わたしたちはたくさんのモノに囲まれて生きています。用途として同じモノでも、素材やデザイン、価格帯において様々な選択肢がある今、「モノを選択し、モノを購入する、どのように使うか」という毎日行われる日常の何気ないアクションは、自分の自己表現であり、自分が描く自分と社会への投票の1つだと思います。今は、どのような社会にしたいのか、継続可能な社会とはどのような社会なのか、どのように関わっていくことができるのか、それぞれが考え、それぞれの方法で実践しているときだと思います。大量生産大量消費されるモノをなるべく買わない人、大量生産大量消費に代表されるモノを壊れるまで使う人、原子力発電所の事故の前と変わらない生活をする人、安全な食材を作る農家が継続できるように、少し高くても顔のみえる農家から食材を購入する人。
本展では、今という同じ時を生きる作り手がつくる、生活を取りまくさまざまなモノを展示します。この形に惹かれる、この色が好き、といった色んな発見から、その源はどこにあるのかを考えてみて下さい。自分を発掘することになるでしょう。そして「モノと人」の関係から“今とこれから”を考える時間になると同時にモノが人にもたらす幸福感を味わう時間となると幸いです。
―[出品者18組]―