アルディッティ弦楽四重奏団は弦楽四重奏団のための「作曲の伝統」と、滅びかけていた演奏形式を甦らせ「現代の弦楽四重奏団」のスタイルを創りあげてきました。結成以来、数々の難曲に挑み続け、緻密なテクニックと完璧なアンサンブル演奏は世界中の観客を圧倒し魅了してきました。80枚以上に及ぶCDレコーディングや、世界の名だたる現代作曲家が彼らのために弦楽四重曲を作曲し、また多数の世界初演を行うなど、20世紀後半の現代音楽の世界に大きな影響を与えてきました。彼らは常にレパートリーの充実と拡大を続けエネルギッシュに世界中で演奏を続けています。
2年前の来日では、「20世紀音楽マラソン」と題して、20世紀に書かれた難曲を正味5時間に渡って演奏する、暴挙か、快挙かという試みを行い聴衆を圧倒したのを始め、高知県立美術館ホールで行われたコンサートでは、その完璧な演奏により多くの聴衆を震撼させ、再来高が熱望されていました。
今回は、ベートーヴェンの歴史的な古典作から、作曲家リームがアルディッティ弦楽四重奏団のために作曲した「弦楽四重奏曲第10番」。そして今回の大きな話題は、「エリック・サティピアノ音楽全集」や「ハイパー・ビートルズ」などで知られ、現代作曲家からも数々の曲を献呈されている日本を代表する世界的なピアニスト・高橋アキを迎え、クセナキスのピアノ五重奏曲「アケア」が演奏されます。完璧な演奏に挑戦し続ける弦楽四重奏団の世界最高峰とピアニストは今回も音楽の限界に挑みます。ぜひこの共演にご期待ください。