本展では浮世絵の中に登場する「こども」、こどもが遊びながら学ぶことができた「浮世絵」を切り口に、江戸時代のこどもたちの日常生活や遊びの文化をご紹介します。
江戸時代、何歳までを「こども」とみなしたかについては諸説ありますが、武家、公家、庶民など、身分の間で多少の違いはあるものの、それぞれ大人として扱われるようになるのは男の子では15歳くらい、女の子では13歳くらいからでした。例えば、商家に奉公する年少者・丁稚 (でっち) は子供または小僧とも呼ばれました。丁稚として雇われるのはおよそ10歳前後だったといわれます。15~16歳に略式の元服・半元服 (はんげんぷく) をした後には「半人前」と見なされ、17~19歳で元服後、ようやく一人前の商家奉公人と見なされたそうです。
江戸時代の平均寿命が短かったとはいえ、「こども」でいられること、「こども」として扱われる期間は現在とは全く異なり、今の私たちには信じられないことでも、当時ではそれが普通のことでした。そんな江戸時代の「こども」たちの「かわいらしい」姿だけではなく、「頼もしい」姿もお楽しみください。